皆さん、こんにちは!今日は先月末、ドイツのバート・ウュルテンべルク州のNahe近くのワイン醸造家に就職し、うちの留学参加者で、研修(Ausbildung)中のShuichiさんに会い、話を伺いました。
ちょうど今年の葡萄畑の剪定作業をしている最中で、とても大切な作業について詳しい解説いただきました。
今日は皆さんにドイツでワイン醸造家を目指すなら、これだけは知っておいていただきたいこと、そして改めてデュアルシステムの魅力について解説します。
ここで皆さんにドイツでワイン醸造家を目指す人が備えている要件についてご紹介します。
『ワイン醸造家を目指すならこれだけは知っておこう!』
⭐️繁忙期がある。9月下旬から10月いっぱいにかけての繁忙期は他の職種に比べても群を抜いて忙しい。早朝から葡萄を摘みに畑にみんなで足を運び、夕方に戻ってくると、今度はつんできた葡萄についている枝などをざっくりはらい、その後濾過していき、発酵するための準備作業をしていく。葡萄の収穫は時期が決まっており、待ってくれないので、この時期は特に集中して業務が行われる。逆にその作業が終わった後の冬の時期は時間のゆとりがあるので、勉強に時間を使うことができるとのこと。
⭐️職業柄、上司や仲間との共同作業も多く、当日もShuichiさんは上司や仲間から詳しく選定の仕方、病気の木の見極め方など の判断指針を丁寧に教えてもらっていた。印象としては、彼のように積極的に質問をするとどんどん知識を得ていくことができるので、積極的にコミュニケーションをとれることも大切。
⭐️職業学校で学ぶ専門知識が大学の授業を超えているという話。早稲田大学を卒業しているShuichiさん、化学はかなり得意だったようなのですが、職業学校での化学のテストが3(真ん中)だったことを殊の外詳しがっていた。非常に難しい勉強もするそうで、大学の講義を超えた勉強と驚いていた。そのほか、ワイン醸造家になるための知識的な学びも一年の作業に合わせて学校で学ぶ点がとても魅力とやはり理論と実践を同時に学んでいくことの意義、そしてドイツのデュアルシステムの学びの仕組みの良さを強調。改めてデュアルシステムの良さをワイン醸造家という職業にも非常によく当てはまると実感。
結論から言うと、ワイン醸造にかなりの興味があり勤勉、体力があり、人と一緒に仕事をすることが好きな人。
繁忙期は、仲間とずっと過ごすので、それが苦にならないこともまた大事。
その分、やりがいや学びはとても充実しているし、繁忙期の残業分はきちんと精算(給与または休暇)してくれる。この点はドイツの優れている点。
『デュアルシステムの魅力を再確認しよう』
・研修先に就職すると、実践力を学びながら職業学校で同時に理論を学ぶ
・研修先での実践していることの理屈は座学で学べ、逆に座学で学んでいても自然や経験から理論とは違う判断をすることも実際にあることを同時に学べる優れた制度
・一般的に想像する以上に学ぶことが専門的で、日本でいわゆる一流大学の早稲田の工学部出身のShuichiさんが、大学で学ぶレベル以上の化学を勉強するという話。
💬たまにこのデュアルシステムを大学出身や内容を理解していない人が、「大学に行けない人が進む道」というコメントをしている人を見かけるが、こういった批判は十分に中身を知ってから言って欲しい。またドイツ人でも手工業の実践力の大切さを知っている知識層は決してこのシステムでプロやスペシャリストになった人をバカにすることはありません。
結論からいうと、職業のプロを目指すのにこのデュアルシステムは非常に優れた仕組みであり、内容を十分に理解してこの資格を取得した場合の一定期間内で習得する知識と実力は間違いないと感じる。
食事は研修先の社長(ドイツ語でシェフ)が自ら作ってくれることも多く、特に良質なお肉やたまに滅多に仕入れができないような魚をつてで仕入れてくれて非常に美味しく調理をしてくれるとのこと。
訪問時にいただいたスープ(ぎゅうテールスープとKnoedel)が本当に美味しかった。
ワインを学ぶ時には食事とのペアリングなども学ぶため、Shuichiさんの研修先のように幅広い知識と興味がある社長の元で学べることもまた魅力の一つ。
ここは、ダヴィンチがもっとも重視している点でもある、研修生がよく学べる環境、学びやすい環境の調整はここでもいい結果を出すことができて嬉しい。
まだまだお伝えしたい情報はたくさんありますが、今日はこの辺で。
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